バンド結成から5年、1987年にインディーズ・レーベルからリリースされたテラ・ローザの記念すべき1stフル・アルバム。結成以来ライブで培われた楽曲の中から厳選された“ベスト・ヒット”的な楽曲が網羅されている。
アルバム1枚を通しての起承転結や物語的な展開を重視した楽曲群がテラ・ローザの代名詞でもある“様式美”へのこだわりを明確に示している。
特筆すべき楽曲は三宅庸介作曲による「1. ONE OF SECTIONS “LAP”」。三宅・赤尾のタッグによる他のバンドにはない、テラ・ローザならではのスピードチューン。また、岡垣正志作曲の「8.もの言わぬ顔」では壮大なシンフォニック・ロック・サウンドによる伝統的な大作主義を打ち出し、テラ・ローザの音楽性を強烈に印象付けている。
この2曲は後のバンド解散に至るまで欠かさず演奏されてきた、バンド・ファンにとって重要な楽曲。
本作にはこの２曲に限らずテラ・ローザの代表曲として挙げられる人気曲が多数収録されている。

インディーズでの1stフル・アルバムリリース後、メジャーレーベル各社の争奪戦の末キングレコードからのメジャーデビューが決まり、1989年にリレコーディング。より硬質でガッツのある攻撃的なサウンドにブラッシュアップされた。収録されている楽曲はインディーズ盤と変わらないため、違いを楽しむのも一興である。

1st アルバムはそれまでの活動の集大成的な内容であったのに対し、本作はオリジナル・アルバムの制作を念頭に置き、そのために生み出された新曲で構成されている。
新たなギタリスト＆ドラマーを迎え、より“様式美”を感じさせる楽曲が揃った。メンバー・チェンジによるサウンドの変化は鈴木広美の楽曲「7. Mr. Freelance」「4. Look for my fancy」で聴ける魅力的なギター・リフや、板倉　淳のへヴィなドラム・サウンドから感じ取ることができる。
冒頭のSEから始まり壮大な「9. Evelyn」で締めくくられるアルバム全体の物語性も更に確固たるものとなった。
その他の収録曲にも「ドラマチックな楽曲」「王道サウンド」「ポップな楽曲」などのコンセプトが掲げられ、“オリジナル・アルバム”としての仕上がりがかなり意識された楽曲構成となっており、実質的な1stオリジナル・アルバムとも呼べる作品。

1990年にリリースされた、テラ・ローザ最期のスタジオ・アルバム。 それまでテラ・ローザの音楽性の象徴とされていた“様式美”という枠にとらわれずモダン・ヘヴィネスな方向性へのアプローチも試みた作品であり、本作ではメンバーそれぞれが新曲を持ち寄り、テラ・ローザに抱かれるイメージの一新を図った挑戦的な内容となっている。「SHOVE OFF FOR NAUGHT」から感じ取れるへヴィ・メタルへのアプローチなどからそれを感じ取れる。 今作で新規加入したギタリスト今井芳継によるアクロバティックなテクニカル・プレイも新たなテラ・ローザ・サウンドの重要なポイントとなっている。 刷新の面ばかりでなく、それまでのテラ・ローザらしい様式美スタイルもより洗練され、「刹那の甘露 –SASE-」「DEATHBLINK」などの高い完成度からはバンドの成熟も感じられ、ラスト・アルバムにして限りない可能性を見せた1枚。

表題曲「火の中に影」は、シングルのための楽曲ということで、日本語歌詞でキャッチーなメロディであることを意識して作られた楽曲。ポップでありつつもアグレッシブなギターリフやソロからはへヴィ・メタルも感じられる。このシングルにしか収録されていない「CRAGGY RHYMESTER」、インストナンバーの「WARBLE INNOCENT」も聴きどころ。

1991年末～1992年1月におこなわれた解散ライブを収録したライブ・アルバム。
スタジオバージョンと違い、荒々しくも気迫と勢いのあるパフォーマンスが収録されている。最終公演となった大阪公演は会場に入り切れない600人以上のファンが会場付近を埋め尽くす、伝説的な一夜となった。

2016年、初期ギタリストであったYOUこと足立祐二の提案によりおこなわれた3夜限りの復活ライブを収録したライブ・アルバム。インディーズ時代のYOU在籍当時のナンバーを中心としたレアな選曲となっている。当時の楽曲をMASAKI、佐藤潤一という強力なリズム隊のサポートを得てブラッシュアップされ、未発表であった楽曲も収録し、懐かしくも新しいテラ・ローザ・サウンドが聴ける。ライブは各地でソールドアウト、人気の根強さを証明した。最大の聴きどころはこのツアーのためにYOUにより書かれた新曲「TO CODA」。これもまたレアなメンバーによる新しいテラ・ローザ・サウンドとして魅力的な作品となった。

このBOXのために新規に編集されたコンピレーションアルバム。デビュー前の録音やソノシートで配布されたものなどのレア音源や、近年リリースされたアルバムのリレコーディング・リミックス音源・未発表ライブ音源など、全曲貴重でプレミアムな1枚。

ギタリスト“三宅時代”“鈴木時代”“今井時代”と、各時代のPVやライブ映像を含めた貴重な映像クリップ集。主にライブ会場でVHSビデオで販売されていた。

解散ライブの映像作品。ライブ・アルバムには収録されなかった「刹那の甘露-SASE-」の映像が貴重。

2006年に亡くなったベーシスト山口宏二の追悼の為、岡垣の呼びかけにより“The Endless Basis”“Honesty”“刹那の甘露-SASE-”各アルバムのレコーディングメンバーが集結。ベーシストには元Wolfの関 ANI-Kastu 勝美を迎え一夜限りのライブを敢行。
全国から集まったファンは3枚のスタジオアルバムの中から厳選されたテラローザの楽曲を再び体感するという追悼ライブに相応しい内容に感動することとなった。
このライブ映像が編集されたものをDVDとして限定販売(500枚限定)したところ、あっと言う間にソールドアウトしてしまった幻の作品。既存のライブアルバムで聴くことのなかった作品も収録され、ファンの間では数万円で取り引きされるという評価の高いレアな映像作品。